綺麗に無邪気に永遠に

ぼくの心をあなたは奪い去った

君の旅がどうか美しくありますように

海人さん、22歳のお誕生日おめでとう。
今年も図々しく、言わせてくださいね。


21歳もたくさん悩んで迷って、たくさん笑ってはしゃいで、幸せだったでしょうか。どんな1年だったのでしょう。私が見れる日付に残された跡だけじゃ分からない、海人さんにしか分からない、海人さんの内緒の気持ちでしか図れない、そんな"どんな"がきっとたくさんあるのでしょう。

いろんな当たり前が変わりゆく中で、変わらないと届けてくれたこと、変わらないものを届けてくれたこと、変わらないものを届けようとしてくれたこと、全部にありがとうと言いたいです。

21歳のあなたには画面や誌面越しにしか会えなかったけれど、それでもなにかを通して見るあなたはやっぱりいつでもキラキラしていて、すごくキラキラしていて。わたしは勝手に知ることのないその真裏を想像したりしていました。





海人さんには、いろんなクセがある。

からだのリズムを刻むクセ、なにかと手をいじるクセ、口元を手で隠しちゃうクセ、目の下に両手で富士山を作るクセ。

もっとたくさんあるのでしょうけど、私から見える一握りの海人さんではこのくらいしか分かりません。贅沢でしょうか。それでもあなたのクセを見つける度に、あなたを少し知れたような気がして嬉しくなります。そして憶えたそのクセを見る度に、どうしても心配をしてしまうようになりました。海人さんは、いつでも不安を持つ人だから。その不安の先に、あなたのクセがあるんじゃないか。何気ないクセの裏側に、あなたの闘っている姿があるんじゃないか。

ある番組で見た、目の下を両手で押さえている姿と、その時の言葉が、そんなことを思うようになったきっかけであり、だからか、わたしの胸にはずっとつっかえています。

「頑張んなきゃいけなくなってしまった」

必死に、溢れてくるものをこらえるように、喉をつまらせながら呟かれたその言葉に、目の下に作る両手の富士山、そのクセの意味を見たような気がします。


海人さんのクセには、何かしらのサインがある。

それを憶えた瞬間でした。だから、海人さんのクセを見ると、少し苦しくなります。その闘った証にちょっとだけ目をぎゅっとしたくなります。でも海人さんのクセがあるから、わたしは少しだけあなたが教えてくれることのない裏側を知ることが出来る。あなたが乗り越えようとしてくれているんだと、知ることが出来る。

もしかしたら勘違いかもしれないけれど、勘違いじゃないかもしれない。そのクセの裏側を、声や文字であなたが教えてくれることはなくても、わたしはちゃんと考えなきゃいけないと思った。海人さんが笑う、歌う、踊る、そこに在る。それらの当たり前が決して簡単ではないこと。その裏側にあるものが決して簡単ではないこと。わたしはただ受け取ることをしちゃいけないこと。そして、「当たり前」に感謝をする以上に、難しくてもその「当たり前」の真裏を想像しなくちゃいけないということ。





「決意」の瞬間には、必ず「忘れられない傷」の存在がある、と言ってる人がいた。

海人さんには今まで何回その瞬間があったんだろう。これから何回、その瞬間があるんだろう。その瞬間の数だけ、あなたは忘れられない傷を負うのか。そう思うとたまらなくなります。あなたがわたしに笑顔をくれるなら、私だってあなたに笑顔をあげるわ。あなたがわたしに希望をくれるなら私だってあげるし、あなたがわたしを絶対幸せにするよと言うのなら、私だってあなたのこと、絶対幸せにしてやるってそういうつもりよ。を、出来ることならあげたいのに。でもわたしは、何があってもあなたを守れないし救えません。あなたを照らすペンライトくらいの、幸せのほんのヒトカケラにしかなれません。どうしようもない気持ちをぎゅっとして、どうか自分で自分を守ってねと、悲しくも情けなくもあなたをあなたに託すことしか出来ません。



だから、「どうか、せめて。」とたくさん祈らせてください。

どうか、無邪気に笑っていられる時間が1秒でも多くありますように。あなたの願うものが、ひとつでも多く叶いますように。手放した日常を越える特別なキラキラが、飽きるほど届きますように。せめて、考えすぎて眠れない夜が1日でも訪れませんように。心がポキッと音をたてる出来事が、ひとつでも無くなりますように。目の下をぎゅっと押さえなければいけない瞬間が、少しでも短くありますように。



「君の旅が、どうか美しくありますように」


旅の途中で傷を負うなら、それが「忘れられない傷」になればいい。傷を種にして決意が咲くなら、その傷はあなたの背中を押してくれる優しいものに変わるでしょう。そして押された先に広がる景色は、いつでも絶景であって欲しい。わたしはそのヒトカケラとして、あなた色のペンライトをあきれるほど振るからね。



22歳の海人さんは、どんな風に咲くんだろう。

晴れたり曇ったり雨が降ったりする毎日に、泣いて怒って喜んで。それでもやっぱり幸せだと、最後には思えるような日を1日でも多く。そう、願っています。



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2021.04.03